3月12日 情報収集・買い出し・停電中の過ごし方(東日本大震災翌日)

東日本大震災2日目。家もだいたい片づいたので、仙台市中心部まで情報収集と買い出しに行くことにしました。帰宅後は停電中なのですることもなく……。意外と困る停電中の過ごし方についても書いてみました。

2011年3月12日(土) 情報収集・買い出し

甘い被害想定で備蓄が足りなくなる

職場に置きっぱなしにしていた夫の車を歩いてとりに行くことにしました。夫とわたしの職場は仙台市中心部なので、なにがしか情報も得られるだろうと思われました。

朝になって明るくなった道を歩いてみると、被害を受けた家屋が思っていた以上に多く驚きました。倒壊こそしていませんが、瓦や壁が落ちていたり、窓ガラスが割れていたり、見るからに歪んでいる建物があったりで、この辺りも結構ギリギリだったんだなと思いました。

ちなみに、わたしの職場にも寄ったのですが、建物の損傷が激しく、立ち入り禁止になったのでしばらく出社できませんでした。古い建物だとは思ってたけどそんなえらいことになっていたとは……。

夫の職場まで1時間半ほど歩き、カーナビのテレビで初めて津波の映像を見ました。ラジオで流れていた情報はデマではなく、むしろそれ以上の被害になっていることが分かり、言葉を失いました。

当初の自分の見込みが甘く、想像以上の災害になっていることが分かってきましたが、このときできることはほとんどありませんでした。とにかく自分たちの生活を自分たちでなんとかすることぐらいです。

行政や消防、警察、自衛隊、病院など、大規模災害の際にはみんな手一杯です。うちは健康な大人二人の家族なので、救助の手をわずらわせないことが、大きな被害を受けた地域の人たちのためにできる、ほんのわずかなことだろうと思いました。

ただ、後悔したことは防災備蓄の量が少なかったことです。

当時推奨されていた3日分を備蓄していましたが、状況を把握するにつれ、「これは3日ではどうにもならないだろうな……」と思うようになりました。

夫とわたしの想定では、宮城県沖地震が来たとしても、3日間ぐらい自宅で待機。その後は少し落ち着くだろうから、車で隣県などに買い出しに行けばいいかと思ってたんです。

まさか、隣県どころか東日本ほとんどが被災するとか、車で移動したくともガソリンが手に入らないとか、あわや一日違いで車が津波に流されていたかもしれなかったとか、まったく想像もしていませんでした……。

いまは津波が来ない地域に住んでいて、政府推奨の備蓄量は1週間分ですが、念のため1か月分の食料や生活用品を備蓄しています。グルテン不耐症で小麦が食べられなくなってしまったので備蓄を増やしたというのもありますが、この話は長くなるのでまた別記事で。

とにもかくにも、ハザードマップで住んでいる地域の被害を確認し、甘い想定の方ではなく、より重い被害想定に合わせて災害対策することをオススメします。

防災備蓄の目安に「東京備蓄ナビ」

備蓄と言われても想像がつかないという方にはこんなサイトもありますよ。東京都が運営しているサイトです。

東京備蓄ナビ
「災害に備えた備蓄」と聞いてもピンと来ない方や興味はあるけど何をどのくらい備蓄すれば良いか分からない方向けに、備蓄のイロハや備えておくと良い品目などをご紹介するサイトです。

家族の人数や構成を入力すると、1週間分の必要な備蓄量を計算してくれます。レトルトご飯が1日3食×7日分あるのにお米や即席麺もリストにあって、炭水化物量がやたら多いとかちょっとアレなところもありますが、目安にはなるのではないでしょうか。

・情報収集にカーナビのテレビが使える
より重い被害想定に合わせて災害対策する
・備蓄の目安に「東京備蓄ナビ」も役に立つ
備蓄に関しては順次記事を追加していきたいと思ってます。こちらは必要最低限の基本食料を備蓄する「ローリングストック(日常備蓄)」についてです。
面倒な備蓄を単純化!ローリングストック(日常備蓄)ー基本食料編
最近よく聞くようになった「ローリングストック(日常備蓄)」。普段食べる物を少し多めに買っておき、防災備蓄として災害に備えようという考え方ですが、やってみると結構めんどくさいんですよね~。ずぼらなのでなるべく手抜きしたい!といろいろ考えて備蓄...

スマホとモバイルバッテリーがあればよかった

当時わたしたちは二人ともまだガラケーを持っていました。
ワンセグが見られるタイプでしたが、電池残量を気にして見られませんでしたモバイルバッテリーを持っていれば見られたのに……。

インターネットを利用するときにはパソコンを使っていたのですが、ネットが落ちてしまえば使えませんでした。しかも家のパソコンはデスクトップ型で停電したら使えませんでした。

このときほど「スマホにしておけばよかった!」と思ったことはありませんでした。そして落ち着いたらすぐスマホに買い替えました。

いまは、パソコンはノートパソコンにタブレットも購入ネットはモバイルWi-Fiにしたので、停電してもしばらくはネットが使えるかな?と思ってます。

モバイルバッテリーは、USB充電式乾電池式ソーラー充電式の3タイプを持っています。さらにいえば、乾電池式ランタンソーラーランタンソーラーラジオも持っていて、それらからも充電できるようにしました。どんだけ必死なのかと。

とにかく情報が少ないことが不安でしたし、行動を鈍らせたので、スマホとモバブについてはものすごく対策しています。

USB充電は使い切ってしまえば終わりソーラー充電は晴れていないとダメ乾電池式は備蓄してあればいいけど乾電池がなくなればオシマイ、と三者三様に弱点があるので、予算が許せば3タイプとも持っておくといいですよ!

・パソコンはノートパソコンだと停電時も使えるタブレットでも可
モバイルWi-Fiだと停電時も使えるかもしれない
・モバイルバッテリーはUSB充電式乾電池式ソーラー充電式の3タイプ
乾電池式ランタンソーラーランタンソーラーラジオから充電できるタイプもある
スマホ、スゴイ

街の中心部は携帯が入りやすい

震災翌日に仙台中心部まで歩いていったおかげで携帯がつながり、実家に連絡ができました。そして連絡が遅くなったことを怒られました。いや、仕方がないんですよ。だって昨日は基地局自体が停電で落ちてたし、自宅では携帯繋がらなかったし。

当然といえば当然ですが、携帯など通信インフラの復旧は街中の方が早いんですよね。いろんな施設が集まっている分、通信インフラの復旧が急がれるわけです。

一方、自宅のある郊外は住宅街どころか、やや山なのでしばらく携帯が繋がりませんでした。社宅だったので選びようもありませんでしたが、携帯やネットなど通信インフラに重きを置く人は街中に住む方がいいかもしれません。

通信インフラの復旧を急ぐなら街中に住む
・郊外に住むなら通信インフラの復旧が遅くなる覚悟をする

地域密着のお店、新聞社、ラジオが頼りになる

車に荷物を置いて、仙台市中心部のアーケード街に歩いて向かうことにしました。

ほとんどの店が閉まっていたこともあり、人通りはそれほど多くありませんでした。

どこか開いているお店はないかとぶらぶらしていたら、「藤崎」という仙台ご当地百貨店の前にパーテーションが置かれていました。店は閉まっていましたが、そこに「河北新報」という地方新聞が貼られていました。新聞が配達できなかったので、貼り出してくれたようです。ここでもらった号外をいまでも持っています。

その後、牛タン屋さんが牛タン弁当を売り出していたので購入。このお店は電気は止まっているものの、プロパンガスなので調理ができたとのことでした。また、これはご当地ではないのですが「明治屋」でパンや缶詰が売っていたので購入しました。

夫の職場に戻り、休憩室で牛タン弁当を食べました。
麦飯と牛タンだけのシンプルなお弁当でしたが、温かくとても美味しかったです。思いがけず仙台名物を堪能。

全国放送のラジオ番組は災害のひどさを延々と語っていましたが、地方のラジオ番組は避難所や給水所、店舗の開店予定など、生活に必要な情報を流してくれていたので頼りになりました。

また「人を探しています。わたしは○○避難所にいるので連絡ください」という、人探しの情報をずっと読み上げるラジオもありました。家も携帯も手元にない、避難所にいる人にとって、少しでも希望になるだろうと思いました。

このときはやみくもに歩いて足で情報を稼いだのですが、日頃の運動不足がたたってかなり疲れました。また寒い時期だからよかったのですが、暑い時期だったらお風呂も入れないし無理だったかもしれません。ある程度訪れたいお店の目星がついてるとよかったかなと思います。

あくまでわたしの印象ですが、震災直後は地域密着のお店やメディアが頼りになると思いました。北海道胆振東部地震のときにもセイコーマートが大活躍でしたよね。

大手スーパーやコンビニ、チェーン店は、災害時のオペレーションとして「お客様を安全に店外へ、その後、スタッフも安全を確保して店を閉める」というところが多いようです。もちろんそれも正しい。少し落ち着いてくると、品ぞろえも量も大手の方が断然多くなるのでありがたかったです。

これを機に「やっぱり地域のお店は大事にしなきゃ!」と思うようになりました。いまはいろんな地域のお店を訪れるようにしています。日頃から歩いて街のお店に行っておくと、いざというとき役に立ちますし、体力づくりもできますよ。わたしはドラクエウォークがてらに歩いてます。

・日頃から歩いて地域のお店を利用する
・ローカル新聞、ローカルラジオを知っておく
体力大事

千円札・小銭はたくさん持っておく

当時もわたしたちはダメ人間で酒飲みでした。
あまりにもビール消費量が多いので、平日はビールを1缶飲んだら500円払わないといけないという罰金制度を設けました。

が。

いつのまにか「500円払ったら飲んでもいい」という意識のすり替えがなされてしまい、罰金を入れておく缶に小銭や千円札が山盛り入っていました。そしてこれが震災後にめちゃくちゃ役に立ちました。

人間、なにが幸いするかわからないものですね……。

震災後、停電している状況下ではクレジットカードもキャッシュレス決済も使えません。また銀行やATMも閉まっているのでお金もおろせません。お店で買い物したくとも、現金がないと買い物ができなくなります。

また、お店側もおつりを両替できなくなるので、「3つで千円」とか「1つ500円」とか端数のでない値段になりがちです。これを「震災をいいことに値上げしてる!」と怒る人もいるようですが(そして本当に値上げしてるお店もあるのですが)、まあ仕方ないことかなと思いますし、ほとんどの場合はやや安い気がします。

いまはそれほどお酒も飲まず、ダメ人間を脱却したので、罰金制度もなくなりました。なので、災害に備えて千円札や小銭をちゃんと貯めています。

ちなみに阪神・淡路大震災のときには、地震直後、ATMが使えない地域では買い物ができず(というより店が損壊して開いてなかった)、買い物できる地域ではATMやクレジットカードが使えたため、あまり現金に関して気にしてませんでした。要反省。

用意する金額は人によると思いますが、うちは十万円をおもに千円札で(一部五千円札)、小銭はたぶん2~3万円(適当に手持ちの小銭を追加するので総額がよくわからない)、ほかにタンス貯金で十万円用意しています。これだけあればきっとどうにかなるんじゃないかと。目安は中古の原付が即金で買えるぐらいにしました。いまは車がないので、いざという時の機動力にしようかと思ってます。

ただ、現金で自宅に置いておくと、盗難や火災などでなくなる危険があります。目安は自分が安心できるということと、目的や金銭感覚との兼ね合いという気がします。1人暮らしなら、実家に帰ったり、被災地でない地域のホテルまで移動したりするために、もうちょっと現金を持っていた方がいいかもしれないですしね。

金額はともあれ、現金、特に千円札や小銭はかならず必要になるので持っておきましょう!

・千円札・小銭はたくさん用意しておく

たまたまガソリンが満タンにできた

おなかもいっぱいになったし、少しですが食料も手に入ったので、この日は車で帰宅することにしました。

ガソリンが半分以下だったので、近くのガソリンスタンドに寄りました。給油を待つ車の列ができていましたが、30分ほど待って満タンまで給油できました。

が!これは本当に運がよかっただけ!

震災翌日に街の中心部にいたので逆に人が少なかったのか、たまたま空いていただけなのか、理由はよくわからないのですが、他の人に聞くと12日時点で3~4時間待ちは当たり前。給油も2000円分など限られた量だったようです。

いま住んでいるところは平地なのでわりと自転車でどこでも行けるのですが、仙台市はいかんせん広く、山が多い。車がないと機動力がめちゃくちゃ下がるので、翌日に満タンまで給油できたのは本当にラッキーでした。

これ以降、ガソリンが半分になったら給油することにしたのですが、その苦労の様子はまた後日。

・ガソリンは半分になったら給油する!

ヘッドライトはトイレで便利

信号は停電したままでしたが、のろのろ運転で無事帰宅。

夕食は、帰宅途中の国道にラーメン屋さんが開いているのを見つけていたので、日が暮れる前に徒歩で向かいました。こちらは電気が止まっているだけで、お水も出るし、プロパンガスなので調理ができるということでした。素晴らしい。

歩いて帰るのも腹ごなしにちょうどよく、家に帰るとすぐトイレに行きたくなりました。このとき、ぶっ飛んでいた防災用品の中からヘッドライトが見つかっていたのでとても役に立ちました。

トイレに懐中電灯やランタンを持って入っても、パンツを下ろすときに自分の体で影になっていまいち手元が見えないんですよね。その点、ヘッドライトは手元も見えるし、トイレのレバーも見えるし、めちゃくちゃ使い勝手がよかったです。この日から予定外の生理になってしまったため、ナプキンを使うのにも役立ちました。

たまたま少し前に友人と富士登山に行っていて、そのための装備として買ってあったんです。なので、災害用として購入したものではありませんでした。

電池を確認してみると、かなり特殊なボタン電池でした。登山用品は軽量化のためボタン電池が多いのですが、そんな電池の予備なんてあるはずもなく……。

幸い、電気復旧まで電池が持ちましたが、予備の電池を事前に買っておかないといけないなと思いました。また、単四電池で使えるヘッドライトを100均で購入しました。

わたしが購入したヘッドライトは、電池を入れる部分の蓋がネジで留めてあるタイプだったので、ネジは外してしまいました。ちなみに、電池は入れっぱなしにしていると液漏れするので、電池は外してヘッドライトとあわせて保管しましょう。

ヘッドライトがトイレで役に立つ
・ヘッドライトにあう電池の予備を用意しておく
人数分あると便利
電池は外してヘッドライトとあわせて保管

停電しているとすることがなくてヒマ

お水ももらえたことだし、この日は洗顔と歯磨きをしました。
洗顔フォームも歯磨き粉も使いませんでしたが、かなりすっきりしました。使用済みの水はトイレのタンクに入れて再利用です。

さて、じゃあ用事も済んだしどうしようか。
と言っても、暗い中ではすることもなく……(まだ18時)。

停電中は本当にできることが少なく、長引いたらかなりヒマでツライだろうと思いました。ラジオも辛い情報ばかりなのはしんどいので、ずっと聞くという感じではありませんでした。

いまはスマホもありますし、タブレットも購入したので、電子書籍をオフラインで読めるようにダウンロードしています。いいですよ、電子書籍。停電中もバックライトで読むことができます。また、紙の本を処分したことで引越しが楽ちんでしたし、本が少なければ被災時の片づけも楽だと思います。タブレットが壊れてしまったとしても、IDさえあれば新しい端末で読めるようになるのもいいところ。わたしは主にebookjapanで購入しています。Yahoo!JAPANが運営。

いざというときに備えて、三国志60巻ジョジョ既刊全巻はオフラインで読めるようにしているので、きっと飽きないはず!

またDVDをシュリンクしてタブレットに入れておくのもいいですよ。サブスクを利用してオフラインで動画が見られるようにしてもいいですね。

しかしサブスクの場合は、オフラインで見られる期限があったり、一定期間過ぎると端末から削除されたりすることがあるので要注意です。定期的に更新が必要なので管理が面倒かな~とは思います。

お子さんがいるご家庭はいっそポータブルDVDプレイヤーを持っている方が使いやすいかもしれませんね。ソーラーパネル+蓄電池があればバッテリーも確保できます。ただソーラーパネルと蓄電池は高いので(両方そろえると5~10万円前後)、どこまで備えておくかは悩むところ。灯りが確保できるなら、電気を使わないトランプやボードゲームなんかでもいいですね。

さて、我々はというと、大人二人でトランプというわけにもいかずとりあえずパックしたり、爪を磨いたりしていました。おかげさまで夫もわたしもお肌つるつるでした。どうせなら普段なかなか時間が取れずできなかったことを試してみるのもいいかもしれません。

お肌はつるつるになりましたがいかんせん寒いので、この日も着替えないまま、リビングのこたつに入って就寝しました。

停電時のヒマつぶしを用意する
電子書籍は大量に本が持てるし、バックライトで読める
タブレットに動画を入れておくのもいい(DVDのシュリンク、サブスクのオフライン動画など)
・お子さんがいるご家庭ならポータブルDVDプレイヤーもあり
トランプやボードゲームなど電気を使わない遊びも楽しい
・お肌や爪のお手入れ道具があればつるつるに
・強制的に時間ができるので、普段できなかったことをするのもあり

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