地震は家にいるときだけでなく、職場にいるときにも起こります。東日本大震災の時はまさにそうでした。職場で地震に遭うことを想定してなにを備えたらいいか。また都市圏で帰宅困難者になったらどうすればいいのか。
二度大震災に遭ったわたしならどうやって職場での地震に備えるか?について考えてみます。
職場の環境に応じた備え・持ち歩きグッズ
職場に個人の私物を備蓄できればいいのですが、個人ロッカーやデスクがない場合もありますよね。わたしも共有ロッカーやフリーアドレスの職場で働いていたときは、私物はその日持っていったカバンだけでした。
職場の環境によって備えられる物が変わるので、場合分けして考えてみましょう。なにをいつどう使うかはのちほど書いていきますね。その上で最低限必要な物のほかに、自分なら何を加えるか。ぜひ考えてみてください\(^▽^)/
個人ロッカー・デスクがない場合:防災ポーチ
災害時に必要な物をコンパクトなポーチに入れて持ち歩く「防災ポーチ」という考え方があります。「非常用ポーチ」や「0次の備え」などとも言ったりします。
自宅から避難場所などへ避難するための防災リュック(1次防災)や自宅でしばらく生活するための備蓄(2次防災)を準備していても、外出先で被災するとどうしようもない。そこで最低限必要な物を常に持ち歩こう(0次防災)という考え方です。
個人ロッカー・デスクがない場合は防災ポーチを作っていつも持ち歩くようにしましょう。
入れるのはポーチでなくとも袋でもウォーターボトルでもなんでもいいんですけど、「防災ポーチ」という言い方がメジャーなのでここは「防災ポーチ」で統一しておきますね。
防災ポーチの中身リスト
防災ポーチの最低限!これだけは絶対いれておきたい!というリストはこちら。
・充電式モバイルバッテリー
・現金(千円札・小銭)
・持病の薬
・メガネ・使い捨てコンタクトの予備
もちろんたくさんあったらあったで便利だし安心なんですけど、重いんですよね。ちなみにわたしの防災ポーチは多めで重め。上に加えてこんな物↓も入ってます。
・電池式モバイルバッテリー・ケーブル
・電池 単4・単3 各8本
・USBコンセントタップ
・ホイッスル
・懐中電灯
・携帯トイレ
・除菌ウェットティッシュ
・除菌用アルコール
・水に流せるポケットティッシュ
・絆創膏
・個包装マスク
・エコバッグ
・ゴミ袋数枚
・お薬手帳写し
・地図(Googleマップをオフラインで)
・非常食(携行食)
・水 500mlペットボトル1本
ペットボトルの水は重いので電車に乗る前に買うようにしてます。
個人デスクがある場合
個人のデスクがあって私物が持ち込める場合は、防災ポーチのほかに、引き出しにも備蓄しておきましょう。備蓄量についてはのちほど計算するとして、ここでは仮に帰宅日数分としておきます。
・持病の薬
・使い捨てコンタクト
・生理用品
・メガネ
・マスク(1箱)
・ウェットティッシュ(1箱)
<帰宅日数分×2>
・水(500mlペットボトル)
・携行食
わたしは防災ポーチに入れてますが、もし入れない予定ならこちらもデスクに置いておくと安心です。
・電池式モバイルバッテリー
・電池(ラジオ+モバイルバッテリー分)
・懐中電灯・ヘッドランプ
個人ロッカーがある場合
個人用のロッカーがあってもっと大胆に物を置いておけるなら。わたしなら。もし可能なら!欲をいえば!あわよくば!これを置いておきたい!という希望のリストを優先順に書いておきます。
・運動靴
・帽子
・楽な服装・ヘアゴム
・寝袋・エアマット
場所に余裕があって、もっと備えておきたいなら職場専用の防災リュックを作っておくのもいいかもしれません。
実際の使用場面を考えて取捨選択する
ではこれらの防災ポーチや職場の個人備蓄をどのように使うか。実際の使用場面を考えていきましょう。
地震発生-まずは身を守る!いのちだいじに!
地震が発生したら、とにもかくにもまずは身を守りましょう。デスクワーカーの人は机の下に隠れられるように足元に物を置かない。机の上にはカッターなど危ない物を出しっぱなさない。飲食店などで働いている場合は、調理中のガスを止める前にまずその場から離れる。ガスには安全装置がついていて震度5以上の揺れで停止することになっているので、揺れがおさまってから消して元栓を閉めれば大丈夫。揺れている最中だと熱した鍋やフライパンで怪我をする可能性の方が高いです。
地震発生時の身の守り方はまた別記事で。
職場の指示に従って待機する場合:推奨72時間(3日間)
揺れがおさまったら基本的には職場の指示に従って行動しましょう。
事業所の規模によってどう行動するかはかなり異なると思います。大きな会社だと社員が一斉に移動すると危険なので、しばらく職場に待機することになるかもしれません。
東日本大震災のとき、東京ではたくさんの人が一斉に帰宅したため、歩道から人がはみ出し道路が大渋滞。緊急車両が通れない事態になりました。この反省から、人命救助のデッドラインと言われる72時間(3日間)はなるべく一斉帰宅しないことが推奨されています。
東京都にある大規模な事業所では条例やガイドラインに沿って準備をするはずなので、地震発生後72時間(3日間)は職場待機になる可能性があります。大阪や横浜など他の大都市も同様です。
また東京の首都直下型地震や大阪の上町断層帯地震など、直下型で揺れが大きな地震が起こった場合、建物被害がかなり大きくなるはずです。新耐震基準以前の古い建物も多いので、おそらく倒壊する建物もでてくるでしょう。高いビルのガラスが割れ、上から降ってくるかもしれません。東京も大阪も木造家屋密集地域があるので、大規模火災の可能性もあります。
こんな中を徒歩で帰宅するのはかなり危険です。
他の人のためだけではなく、自分の安全のためにも、留まれるなら留まった方が得策だと思います。
もちろん、小さなお子さんや介護が必要なご家族、ペットなど守るべき家族がいると心配だから家に帰りたいという気持ちはとてもよく分かります。居てもたってもいられませんよね。
だから一人暮らしの人や、うちのように大人二人家族で帰宅を急がない人、家族と連絡がついて帰らなくてもよくなった人は、職場や一時滞在施設に留りましょう。理由があってどーーーーーしても家に帰りたい人だけなら道もそれほど混まないかもしれません。
家族との安否確認などについてはこちら。
3日間(72時間)を過ごすために必要な物
では、この3日間を職場で過ごすために必要な物を見てみましょう。
・スマホ
・充電式モバイルバッテリー
・持病の薬(3日分)
・メガネ
・使い捨てコンタクト(3日分)
・マスク(1箱)
・ウェットティッシュ(1箱)
・生理用品(3日分)
・電池式モバイルバッテリー
・電池(ラジオ+モバイルバッテリー分)
・懐中電灯・ヘッドランプ
・楽な服装・ヘアゴム
・寝袋・エアマット
スマホは家族に連絡を取るにも情報収集にも必要です。バッテリーが切れると使えないのでモバイルバッテリーは必ず持っておきたい。充電式モバイルバッテリーだと3日間は持たないので、可能であれば電池式のモバイルバッテリーと電池もあると安心です。会社でポータブル電源を用意してくれてるといいのですが、どうなるかわからないですしね。
携帯ラジオは情報収集用に。スマホでラジオも聞けるけど、スマホのバッテリーは連絡やWEB検索のために残しておいた方がよいと思います。まわりにうるさくないようイヤホンも。
懐中電灯は会社にもあるかもしれないけど、個人持ちがあれば気兼ねなく使えます。ヘッドランプはトイレで両手が使えて便利。両方100均でも買えます。
持病の薬やメガネ、使い捨てコンタクトの予備などは、他の誰とも貸し借りできないので絶対に必要!その他、他の人と貸し借りできない物は必ず備えておきましょう。目薬も必要なら備えて。
マスク、ウェットティッシュ、生理用品は会社にも備蓄があるかもしれませんが、一応念のため。アルコールフリーのウェットティッシュがあれば顔や体の気になるところが拭けるのでちょっと気がまぎれます。職場に留まるとしたらお風呂はもちろん、洗顔・歯磨きもできないでしょうからね~。あるといいと思う。
もし着替えが置いておけるなら、楽な服装を置いてると便利だと思います。帰宅時に歩きやすいし、寝るときも寝やすい。とはいえ、災害時はなにかあれば逃げなきゃいけないので、パジャマで寝るわけにはいかない。準備しても休日の私服ぐらいの感じです。ジーンズとTシャツ、パーカー、靴下、下着、女性はカップ入りキャミソールぐらいでしょうか。もちろんジャージでも可。動ける格好ならいいと思うのであとはお好みで。髪が長い人はヘアゴム必須。
寝袋やエアマットはあれば体が楽なのは間違いないです。ロッカーがあるかないかによりますね。寒い地域に職場がある人は、せめて毛布代わりにエマージェンシーシートをおいておくといいかも。
携帯トイレ・食料・水は個人で備蓄が必要か?
携帯トイレやトイレットペーパーは個人で備えたところで焼け石に水だと思うのでここでは入れてません。だって1人1日5~7回トイレに行くとして携帯トイレは3日で15~21個。しかも汚れたトイレに入って使わないといけないので、不愉快なのは同じだと思うんですよね。
ちなみに100均で売っている携帯トイレはほとんど小便用。大便には使えません。うんこをしたければ大便用の携帯トイレが必要。
個人で備えるよりむしろ職場の責任者に「職員全員が使えるように非常用トイレセット買って!」と掛け合った方がいいと思う。
ただエレベーターや電車などの閉じ込め対策のために、防災ポーチに常に一ついれておくというのはいいかもしれません。わたしは1つ持ち歩いてますが、使える場所があるかどうかは悩むところ。
食料や水も同様、個人備蓄は焼け石に水。個人で備えていたとしても会社で備えていなかったとしたら、食べ物を持ってない同僚の前で一人だけむしゃむしゃ食べられないだろうと思うんですよねぇ。分けるってほどの量もないし。水と非常食も会社で備えてほしい。デスクの備蓄食料はどちらかというと帰宅するときの行動食として持ち帰る用です。
職場の備蓄がなく待機できない場合
会社に事業所としての備蓄があればいいのですが、備蓄がない場合もあります。スモールオフィスやレンタルオフィス、店舗などだと備蓄するスペースも待機するスペースもないかもしれません。また残業中に地震に遭って、会社の備蓄はあるはずだけど取り出せないということも考えられるでしょう。
こういった場合でも都市部は3日間(72時間)ぐらい時間をあけて、すぐには帰宅しない方がいいと思います。倒壊した建物や火災などの危険から身を守るなら、余震がある程度落ち着いてから帰宅する方が安全です。
じゃあどこで待機すればいいのか?
都市圏の場合は「一時滞在施設」で待機することになります。
「一時滞在施設」とは?「避難所」じゃダメなの?
職場で大規模な地震に遭って、職場に留まりたいけど備蓄がないとか。職場が狭いとか割れ物いっぱいで危ないとか。建物が古くて危ないとか。また旅行や出張中でどこにも留まれる場所がないとか。
そういう「住んでいる場所以外」で被災したときに滞在できる場所が「一時滞在施設」です。施設によりけりだけど、最低限、水や食料がもらえて、トイレが使えるはずです。運がよければ毛布などあるかもしれませんが、期待しすぎない方がいいでしょう。
職場の近くに「避難所」があるけどそこじゃダメなの?と思う人もいると思います。「避難所」は「その地域に住んでる人」が対象。東京や大阪など大都市だと、地域住民でも避難所の収容率は3割以下なので、住民以外は入れてもらない可能性が高いです。水や非常食も収容できる人数分で用意されているので、住民以外はもらえないかもしれません。ここらへんの対応は避難所を開設した責任者によるので難しい。
とはいえ「一時滞在施設」はまだまだ数が少ないので、実際災害が起こってみたらどうなるかわかりませんけどね。もし職場の近くに「一時滞在施設」があるなら、入れてもらえないかもしれない「避難所」に行くより、「一時滞在施設」に行った方がいいかもねというぐらいの感じです。
選択肢として覚えておくといざというとき役に立つかもしれないので、「職場のある自治体名 一時滞在施設」で検索してみてくださいね。
仙台市では帰宅する人を支援する「一時滞在場所」を「避難所」とは別に設けています。
大都市以外は「一時滞在施設」も「避難所」も同じという場合が多いでしょう。避難所の収容率が高く、住民以外を受け入れる余裕があるところも多いからです。職場近くの自治体ホームページで「帰宅困難者 対策」を調べて確認しておきましょう。
ちなみに「避難所」と「避難場所」も違います。興味がある方はどうぞこちらをご覧ください。
「一時滞在施設」で3日間過ごすために必要な物
一時滞在施設で3日間過ごすためには、職場で滞在するときの持ち物に加えてこちらも持っておきましょう。
・現金(千円札・小銭)
<帰宅日数分×2>
・水(500mlペットボトル)
・非常食(プロテインバーなど)
・リュック
・運動靴
・帽子
・USBコンセントタップ
・除菌ウェットティッシュ
・除菌用アルコール
・水に流せるポケットティッシュ
・絆創膏
・個包装マスク・エコバッグ
・ゴミ袋数枚
・お薬手帳写し
職場と違って、一時滞在施設には不特定多数の人たちが集まってきます。数が把握できないので、施設で備蓄している食料が足りるかどうかわかりません。水や食料が十分に配布されない可能性もあります。なので、できれば自分でも用意した方がいいでしょう。
職場に個人備蓄が置けない場合は手元に水や食料がないので、どこかで買わなければなりません。停電時にはキャッシュレス決済もクレジットカードも使えないので、現金(千円札・小銭)を持ち歩く習慣をつけましょう。
長時間歩く帰宅を考えるとリュック・運動靴・帽子があった方が便利ですが、これもロッカーがあればですね。
わたしの防災ポーチには<あれば便利>リストの中身も入ってます。
一時滞在施設にスマホの充電所が設けられたとしましょう。おそらく1人1タップしか使えないはずです。1人であちこち占領されたら困りますもんね。
しかしそうなると自分のスマホと充電式モバイルバッテリーは同時に充電できません。そこで登場するのがUSBコンセントタップ。わたしは2つ口のを持ち歩いてるので、スマホと充電式モバイルバッテリーが一度に充電できます。もし同僚と避難してるなら、2人で一緒に使ってもいいかもしれません。
除菌ウェットティッシュ、除菌用アルコールは手洗い代わりに。水に流せるポケットティッシュは念のため。一時滞在施設にトイレットペーパーもあるはずですが、災害時、使用人数が多くなると紙切れになることが多いんですよね。
絆創膏は靴ずれ対策。個包装マスクは人に差し上げられるように。まあ、ゴホゴホしてる人に暗にマスクしてっていう用とも言います。
エコバッグは買い物に必須だし、荷物が増えたときなどなにかと便利。ゴミ袋は45リットルのもので、突然雨が降ったときに被ったり、カバンをガードしたり、水を汲んだり、荷物を入れたりとやはりあった方が便利です。飲み終わったペットボトルも水を汲むのに使えるのでおいておきましょう。
一時滞在施設での滞在が長引いた場合に備えて、持病の薬とあわせてお薬手帳の写しも持ち歩くようにしてます。お薬手帳の情報があれば、災害時に調剤薬局で持病の薬を処方してもらえるからです。
お薬手帳の情報は紙のコピーでも写真でもいいし、お薬手帳アプリでも大丈夫。その他、処方箋なしで処方してもらえる方法もあるようですが、細かいので割愛。事前に準備ができるならお薬手帳の写しを持つのが確実です。
待機後、自宅へ向けて帰宅する
さて、長い待機期間が終わったら自宅に向けて帰りましょう。
まずは公共交通機関の情報をチェック
なにはともあれ公共交通機関の情報をチェックです。
職場や一時滞在施設で待機している間に電車が復旧しているかもしれない。復旧までとはいかなくても、代替バスなら出るかもしれない。もしそうなら長時間歩く苦労をせずに帰ることができます。
情報としては公共交通機関の公式ホームページを見るのが一番です。TwitterなどSNSを使って調べる場合は情報の出所と時間を必ず確認しましょう。デマだったりすでに古い情報だったりするかもしれません。
とにかく情報がないことには始まらないので、スマホは使えるようにしておきましょう。どこかで充電できてればいいんですけど、できていないなら自分のモバイルバッテリーだけが頼りになります。なので上でも書きましたが、充電式モバイルバッテリーの他に電池式モバイルバッテリーがあるとちょっと安心です。ソーラー充電式でもいいけど、そのとき天気がいいとは限らないので難しいところ。
帰宅所要時間を計算して必要物資を割り出す
電車もバスも動いてないなら、もう一度職場や一時滞在施設に戻るか、もしくは電車やバスが動いているところまで歩いていくことになるでしょう。そこは状況次第。
念のため、自宅まですべて歩いて帰宅するとして必要日数を計算しておきましょう。
わたしは昔埼玉の浦和に住んで東京の品川まで働きに行ってました。埼玉に住んでいたときの自宅から品川の職場まではバスと電車で約1時間半。ほぼ直線距離で約28キロ。Googleさんによると徒歩で約6時間と出ます。
が!
もちろんそんなにすんなり歩けません。徒歩約6時間は機械的な計算です。大人の歩ける距離は1時間で4キロぐらいと言われています。これも歩幅70センチぐらいの人が信号で止まらず、休みを取らずに歩き続けて1時間4キロぐらい。わたしは身長が低いので歩幅は60センチぐらい。信号や交差点などで止まったりしていると、がんばってもせいぜい1時間3キロぐらいしか歩けません。
埼玉自宅まで直線距離で約28キロですが、当然道は曲がってるし、大規模な地震の後だと家屋の倒壊や渋滞などで通れない道も出てくるので、距離はもっと長くなるはずです。約30キロだと仮定して、わたしの足だと10時間かかる計算です。
歩いている途中、トイレにも行きたくなります。停電や断水時に避難所などでトイレを借りる場合、大行列なのでかなりのタイムロスに。飲み物を買いたくてもどこも売り切れているので、あちこち探すことになるでしょう。また暗い道を歩くのは危険なので、太陽の出ている時間しか歩けません。何時間もぶっ続けで歩けるわけもないので休憩も必要でしょう。
もろもろ考えると、職場から自宅まで歩けたとしてがんばってもせいぜい1日15キロ。帰宅まではおそらく2日。条件が悪ければ3日かかるかもしれません。
となると、個人デスクに備えていた個人備蓄だと
・持病の薬
・使い捨てコンタクト
・生理用品
・水(500mlペットボトル)
・携行食
この「帰宅日数分」のところに「3日分」を入れて計算すればいいことになります。
持病の薬や使い捨てコンタクトは待機3日分+3日分なので、余裕をもってできれば1週間分あった方がいいようです。生理中に長時間歩くのはつらいですが、念のため帰宅日数分を用意しておいた方がいいでしょう。
水は1人1日3リットル必要だと言われます。もしフルで備蓄するなら2リットルペットボトル4.5本。または500mlペットボトルだと18本。さすがにそんなにデスクに置けないし持って帰れない……。ということで、500mlペットボトルは朝夜各1本ずつ飲むとして1日2本×3日で6本にしました。重さは3キロ。
非常食も同様に1日2本×3日で6本。わたしはグルテン不耐症でカロリーメイトなど小麦を使った商品が食べられないので、小麦不使用のプロテインバーを備蓄しています。グルテンフリーのソイジョイでもよし。
水と非常食を備えておけば、それだけ調達にかける時間が減らせて帰る時間も短くなるので、ペットボトル1本、プロテインバー1本でも用意しておく方がいいと思います。
しかし荷物が重すぎると元気に歩けないのでかねあいが難しいですね。わたしは10キロのお米を背負って2キロの距離を1時間弱歩いたことがありますが、最後はへろへろでした。とても15キロの距離は歩けないので荷物は軽くしたい派です。
リュック・運動靴・帽子と、ヘルメットの要不要
リュック・運動靴・帽子は帰宅するときにぜひ欲しい3点セット。地震後は道が割れてるかもしれないし、電車が復旧しても一部区間は歩かないといけないということもあるので、両手をあけて歩きやすい格好が便利だと思います。
よく、職場から歩いて帰宅するときはヘルメットを被った方がいいという話を目にするけど、わたしはあんまりいらない派です。
阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも、倒壊した建物の間を歩いたり、建物から割れたガラスが降ってきたりしましたが、あんなものヘルメットで防げるレベルじゃないですよ。いや本当に。ヘルメットをかぶっていても頭にあたったら、首が折れるか、体がひしゃげるか、ガラスが体に刺さるかするので無事ではすまないと思います。ヘルメットがあったからといって万能ではない。
むしろまず先に倒壊した家屋の近くには寄らない。割れたガラスが降ってくるような道は歩かない。危ないところを避けて歩くを徹底した方がいいと思います。そのためにも余震が少し落ち着くまで職場や一時滞在施設に留まった方が安全。
しかもヘルメットは慣れてないと重くて肩がこるし疲れます。慣れない非常時の帰宅には不向きな気がする。なので、職場から歩いて帰宅するときは、軽いし日を遮るし髪も邪魔にならないし、頭も少しなら守ってるくれるので帽子でもいいんじゃないかと個人的には思ってます。ただ帽子よりヘルメットの方が頑丈だというのも事実なので、帽子をかぶるなら重くてもヘルメットを被って安心感を得たいというのもアリだとは思います。難しいですね。絶対どっちかじゃないとダメというわけではないので、あとはお好みで。
もしロッカーに着替えを置いてあるなら動きやすい服装に着替えておきましょう。
最低限、情報(スマホ・モバイルバッテリー)と水・食料(買うための現金含む)、薬やメガネ。あれば便利な物は、まあなくてもどうにかなるかも。可能なら職場に備えてある物のうち、寝袋・エアマット以外は持って帰る感じですね。重いけど。そこは自分の体力と相談で。
Googleマップをオフライン用にダウンロードしておく
災害時はいつも通れた道が通れなくなったりすることもあるので、自宅までの地図はあった方がいいでしょう。紙の地図でもいいですし、Googleマップをオフライン用にダウンロードしてもいいと思います。
オフライン用にダウンロードしたGoogleマップで経路案内もできるんですよ。すごい!ただし高いビルのはざまではGPS信号が探せないのか、経路案内が更新されないことがあります。実際わたしはオフライン用のGoogleマップで経路案内を使ったのですが、まんまと道に迷いました。経路案内は参考程度に考えた方がいいかもしれません。またオフラインでダウンロードしたマップは定期的に更新が必要なのでご注意を。
詳しくは公式ホームページで。余裕があれば別記事を書きたい。
ちなみに災害時には誰でも使えるWi-Fi「00000JAPAN」(ファイブゼロ・ジャパン)が無料で開放されます。ダウンロードしていたマップが更新されていないときなどに使えるかも。セキュリティ面など気をつけることもあるのでこちらNTT BPのホームページが詳しいです。
不足分を知識で補う
水や非常食は少なめに持ってきているで「やっぱり足りない!」ということも考えられます。歩いてるとお腹空きますし、災害時の緊張でいつもより喉も乾きます。トイレもどれぐらいの頻度で行きたくなるかわかりません。備えの不足分は知識で補いましょう。こんなことを知っておくといざというとき役に立つはずです。
災害時帰宅支援ステーション
避難所や一時滞在施設のほかに「災害時帰宅支援ステーション」でもトイレや水・食料などの支援が受けられます。災害時、コンビニやレストランなどが支援にあたることが多いです。ただ全部のコンビニやレストランが災害時帰宅支援ステーションになるわけではないのでご注意を。自治体が発行してる災害時帰宅支援ステーションのパンフレットやホームページで確認しておきましょう。
マンホールトイレ
発災から3日ぐらい経つと、公園やグラウンドなど屋外の「避難場所」でもマンホールトイレや仮設トイレが設置されることがあります。マンホールトイレは設備のあるところとないところがあるので一概には言えないんですけどね。
マンホールトイレはマンホールから下水道に直結。うんこがダイレクトに落ちていくので、水がなくても使えます。そのため便器内にうんこ山盛りという不愉快な状況にはなりません。
ただ、お世辞にもキレイというわけではないので、除菌ウェットティッシュと除菌用アルコールがあると多少こころが安らぎます。通常の水洗トイレと同じ物しか流せないので、紙切れの場合は持参の水に流せるポケットティッシュを使わないといけません。
あれば便利なので、職場や自宅の近くにあるかどうか調べておきましょう。そのほかマンホールトイレについて詳しくはこちら。
災害救援自動販売機
災害時に停電しても使える「災害救援自動販売機」という自動販売機があります。メーカーさんによって呼び名が「災害救援ベンダー」だったり「災害ベンダー機」だったりしますが機能はだいたい同じ。停電しても使えるような仕組みがあって、無料で商品が取り出せます。ただし管理者さんが停電後に操作しないといけないので、それまでは使えません。
公共施設や避難所、避難場所などに置かれていることが多いです。「停電してるから自動販売機使えないや……」と諦めず、ちょっとのぞいてみてもいいかもしれませんね。
大きな避難所・避難場所・一時滞在施設については、自宅までの地図を準備して印をつけておくか、オフライン用にダウンロードしたGoogleマップにピンを止めておくと便利ですが、距離が長くなると数が多いので難しい。
ざっくり言うと、避難所は公立の小・中学校、避難場所は公園、公共施設・大学のグラウンドなどが指定されることが多いので、覚えておくといいかも。
あとは状況を見ながらテクテク歩くだけ。災害時は体が疲れているのに気づかず無理しがちです。なによりも怪我をしない!いのちだいじに!をモットーに行動しましょう。
まとめ
長くなってしまいましたが、以上「個人でできる職場の備え-都市圏で帰宅困難者になったら?」でした。
東日本大震災のときは、東京で大勢の人が一斉に帰宅。帰宅困難者が出たものの、大惨事というほどではありませんでした。もしかしたら「あのときも歩いて帰れたから、今度も帰れるはず」と思っている人もいるかもしれません。
でもこれってかなり危ない。
当時、東京は倒壊した建物がなかったので大勢で歩けたのだと思いますが、もし首都直下型地震で建物が倒壊していたら。高層ビルからガラスや物が降ってきたら。停電していたら。火災が起きていたら。逃げ場がなく、たくさんの人が犠牲になったかもしれません。
「人命救助のために72時間はむやみに移動しない」とも言われますが、なによりもまずあなたのために。留まれるなら留まる方が良策です。そしてそれが誰かのためにもなるかもしれない。
その場に留まる判断が迷いなくできるように、個人でも職場に備えておきましょう。防災ポーチ、職場での備え。そして一時滞在施設などの知識があれば、いざというとききっと力になるはずです。
モットーは怪我をしない!いのちだいじに!
この記事が少しでもお役に立てば幸いです!
では皆さん、今日もどうぞお気をつけて出退勤をヾ(*´∀`*)ノ
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