防災グッズは旅行グッズに似ていて、「あると便利」な物は多いけど、増やしすぎると重いし場所もとるし、逆に不便になる気がします。
今回は「あると便利」ではなく「なければ困る」を基準に防災ポーチの中身をそぎ落とし。ミニマム防災ポーチについて考えてみました!
「あると便利」な防災ポーチ → フル防災ポーチ
以前、防災リュックの中身をリスト化した際に、防災ポーチ(非常用ポーチとも)も掲載したのですが、これがわたしの思う「あると便利」な防災ポーチかなと思います(以下「フル防災ポーチ」)。
でもまあ、ご覧いただければわかるように、多い。そして重い。
写真に載ってないけど、水など水分補給できる物、モバイルWi-Fiやスマホ、現金の入った財布、ストールなども入ってます。
わたしは普段からリュックを使っているのでまあこれぐらいなら持てますが、ショルダーバッグだと重いでしょうね~。
むしろここは逆に!逆に考えるんだ(by ジョースター卿)
「あると便利」ではなく「なければ困る」を基準に考えてみたらどうだろうか。たしかに便利な物は少なくなるけど、軽くなるし場所も取らないというメリットもあります。
では、実際に中身をそぎ落とした「ミニマム防災ポーチ」について考えてみましょう!
フル防災ポーチのリストも置いておきますね。
フル防災ポーチの中身
- 携帯ラジオ・イヤホン
- 電池式モバイルバッテリー・ケーブル
- 電池 単4・単3 各8本
- ホイッスル
- 懐中電灯
- USBコンセントタップ
- 携帯トイレ
- 除菌ウェットティッシュ
- 水に流せるポケットティッシュ
- プロテインバー(小麦不使用)
- ゴミ袋数枚
- 絆創膏
- 除菌用アルコール
- 個包装マスク
- カイロ
- 充電式モバイルバッテリー
- エコバッグ
- 持病の薬とお薬手帳写し
- 地図はGoogleマップをオフラインで
限界に挑戦「ミニマム防災ポーチ」
限界に挑戦し、考えてみた結果がこちらです。
うむ。一応ポーチも置いてますが、ほぼ全部ポケットに入るレベル。まあ、世の中だいたい、なくてもどうにかなるっちゃなります。
ただ、これだけそぎ落としても、現金と持病の薬はやっぱり必要。替えがきかない。
災害時に停電していたら、自分のスマホが使えても、お店のキャッシュレス決済は使えません。水や食料を買いたくても現金がないと買えなくなります。
また1万円札は「おつりがない」という理由で断られることがあるので、千円札や小銭が必要です。10円玉があれば公衆電話から電話ができるかもしれない。
余談ですが、二度の大震災時、公衆電話から電話して一度もつながったことがありません。公衆電話は比較的つながりやすいというけど、都市伝説なのかと疑いたくなる。
持病の薬は1回分を切り離してなにかに包んで、財布にでもいれておきましょう。
お薬手帳の写しがあれば病院で処方箋がもらえるし、薬局で調剤してもらえるということになっていますが、災害発生が深夜や早朝だとクリニックも薬局も開かないかもしれません。お医者さんや薬剤師さんが通勤するための交通機関が動かなければたどり着くこともできない。当直医がいる市民病院や大学病院は負傷者対応でそれどころじゃない。
1回分ならそれほどスペースも取らないので、必ず入れておきましょう。わたしはマックス10錠分の薬を飲んでいたことがありますが、それでもたいしたスペースではない。
スマホで代用する物リスト
やっぱり現代ではスマホがないとどうしようもありません。家族に連絡もできないし、情報も収集できない。逆に言えば、スマホがあればできることがかなり多い。
フル防災ポーチの中で、スマホで代用することにしたのがこちらです。
情報収集はすべてスマホに集約。ラジオはアプリの「radiko」でも聞けます。災害時はテレビ局や動画配信サイトがweb上でライブニュースを流してくれるので、動画でも情報収集できます。
懐中電灯はスマホのライトを使えばいいし、ホイッスルも音系アプリを鳴らしっぱなしにしたり、「助けて」「ここにいます」とボイスメモに録音しておいて繰り返し再生してもいい。
お薬手帳もアプリがあるので代用できます。
充電式モバイルバッテリーで代用する物リスト
充電式モバイルバッテリーがあるのでこちらも代用できます。
わたしがいま使ってるのはiPhoneSE第二世代で(写真は第一世代)、バッテリー容量は1821mah。買い替えたばかりでバッテリーもへたってないし、2回充電できれば十分かと思うので、充電式モバイルバッテリーは容量が小さいけど軽い4000mahの物にしました。
スマホはワイヤレス充電に対応してるんですけど、うちにワイヤレス充電できるモバイルバッテリーがないのでケーブルもついてます。そのうち買い替えたい。
コンセントタップは、そもそも停電時に充電できる場所があるんだかないんだかわからないので、モバイルバッテリーで十分代用可能かと思います。
なくてもどうにかなる物
さらにフル防災ポーチの中から、なくてもどうにかなる物を見ていきます。まず衛生用品。
まあ、なくてもどうにかなります。
トイレは避難所や災害時帰宅支援ステーションなどで借りましょう。また役所や学校などではマンホールトイレが設置されるところも多いです。マンホールトイレは下水道に直結。糞尿が溜まらない仕組みになっているのでまだ衛生的に使いやすいと思います。
手は最悪服で拭けばいいんですよ。ティッシュも設置されてることを祈るか、最悪紙や葉っぱを拾って拭けばいいんですよ(おおざっぱ)。除菌用アルコールはもうあきらめましょう。
このご時世、マスクはつけっぱなしだから予備はいらない。
女性だとこれにさらに生理用品ですが、だいたい生理が来そうかどうかわかると思うので、コンディションにあわせて用意すればよし。
災害時、水は飲むだけでなく手を洗ったりできるので重宝します。なので、コンビニや自動販売機でもすぐ売り切れます。
しかし重さを考えるなら水は真っ先にそぎ落として、現地調達を考えた方がいいと思います。飲むだけならジュースでもいいし、水でなければ買える可能性も上がります。わたしは二度の大震災どちらでも、当日水じゃないけど飲み物は買えました。水じゃないけど(大事なことなので二度)。
プロテインバーというか、食料も同様。帰宅までに食べるか食べないかわからないのでそぎ落とし。空腹は我慢するか、なにか適当な食料を現地調達するかです。売ってればいいのですが。
以下の物は、本当にあればいいな!なのでそぎ落とし。ゴミ袋があればかぶって暖も取れるし、レインコート代わりにもなるし、水を運ぶこともできますが、まあよし。地図も人に道を尋ねながら帰ればいい。
そぎ落としたことによるデメリット
さて、かなりそぎ落としましたが、当然デメリットがあります。
「なければ困る」を優先し、「あると便利」をそぎ落としたので、もちろん「ないと不便」という物があるわけです。
かなりの物をスマホやモバイルバッテリーで代用することにしましたが、そもそもスマホが壊れたり、充電式モバイルバッテリーで充電が足りなくなったりしたら、代用品含めてすべて使えなくなります。特にラジオと懐中電灯が使えなくなるのは致命的。
衛生用品は、まあ、なくてもどうにかなりますが、衛生状態が悪くなることで風邪やいろんな感染症にかかる可能性もでてきます。
避難所などのトイレは、水が流れないとすぐにうんこ山盛りになりますし(本当に!)、マンホールトイレも紙がすぐになくなるし、汚れるし、災害当日のトイレはかなり悲惨です。とはいえ、女性が携帯トイレを外で使うのも難しいとは思いますけどね。
飲み物や食料は、妥協しまくれば手に入らないこともないと思いますが、アレルギーがあるなら妥協できないので手に入らないと考えた方がいい。また帰宅したいだけというときに、飲み物や食料を買おうと店を探したり並んだりするのは時間のムダだとは思います。
あればいいな!という物はたしかにあると便利です。
なにをどう選ぶかは悩むところですね。
ミニマム防災ポーチの重さ
ミニマム防災ポーチの重さも計ってみました。ご参考までに。
ポーチはユニクロのサコッシュにしました。軽いし、これだけで持って歩ける。サコッシュの重さが約100グラム。ミニマムの用品を入れて約450グラムというところですね。
これなら500ミリのペットボトルの水1本より軽い。
ミニマム防災ポーチ + 懐中電灯とラジオ
ミニマム防災ポーチのデメリットでも書きましたが、スマホが使えなくなって、代用品の懐中電灯とラジオも使えなくなるのはかなり致命的です。
停電した暗闇の街を歩くのはもちろん、懐中電灯なしで過ごすのも心細いし、防犯上もよろしくない。ラジオがないと情報が入らない。たとえば都市部で、電車が復旧したと知っていれば早く帰れたのに、情報がないばかりに歩いて帰るというはめにもなりかねません。なにはともあれ、灯りと情報は必要。
ということで、懐中電灯とラジオ、また電池式モバイルバッテリー関連を追加しました。それぞれ電池が必要なので電池も。
充電式モバイルバッテリーは使い切ったらおしまいですが、電池式なら電池が手に入れば充電できます。とはいえ、災害時に電池も手に入りにくいので単三を多めに入れてます。
写真の電池式モバイルバッテリーは昔100均で買った物で、コンパクトなのはいいのですが充電は遅い。いまは単三電池4本式が主流ですし、壊れたらもうちょっといい物に買い替えようと思いつつ、半年に一度チェックしていますが壊れません。丈夫。
ミニマム防災ポーチ + 懐中電灯とラジオ + 衛生用品
懐中電灯とラジオだけでなく、衛生用品もあった方がいいと言えば、あった方がいい。風邪や感染症が防げるかもしれませんし、なにより服で手を拭いたり、葉っぱでお尻を拭くような不愉快な状況を免れます。
ということで、さらに衛生用品など一部追加してみました。
マンホールトイレは通常の水洗トイレと同じような扱いなので、水に流せる紙しか使えません。なので水に流せるポケットティッシュ。ウェットティッシュが除菌用なので除菌用アルコールは省きました。マスクもつけたままで我慢しましょう。
ポーチが小さいのでエコバッグ、長く歩くと靴擦れするので絆創膏を追加しました。まあ、どちらも軽いからいいかなと。
ミニマム防災ポーチ ++ の重さ
ミニマム防災ポーチ + 懐中電灯とラジオ + 衛生用品の重さも計りました。約930グラム。ぎり1キロ未満ですね。
中も結構余裕があるので、さらに追加してみました。
ミニマム防災ポーチ + 懐中電灯とラジオ + 衛生用品 + 水と携行食
飲み物や食料は、妥協しまくれば手に入らないこともないと思いますが、アレルギーがあるなら準備しておいた方がいいし、探したり並んだりが時間のムダだなとは思うので、試しにペットボトルの水500ミリリットル1本と携行食としてプロテインバー(小麦不使用)を追加してみました。
重さは約1.5キロ。やっぱりいきなり増えますね~!
ここらへんはアレルギーのあるなし、空腹に耐えて動ける時間の長さ、自宅に帰るまでの距離など、条件によって人それぞれかなと思います。
ミニマム防災ポーチ + 自分のために
ということで、限界に挑戦した「ミニマム防災ポーチ」でした。
「なければ困る」はほぼ皆さん共通だと思うのですが、「あると便利」な物になると悩みますよね~。
本当に防災グッズは旅行グッズに似ているなと思いました。「あると便利」だけど増やしすぎると重いし場所もとる。
防災リュックと同じで、自分の環境や状況によって必要な物は変わると思いますので、ミニマム防災ポーチに、自分のために必要な物を入れてみてくださいね。
この記事がお役に立てば幸いです!
では皆さん、今日もお元気にお過ごしくださいヾ(*´∀`*)ノ
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