水以外でも備える!「水」の防災備蓄。前編は「飲料水」についてでした。後編では「生活用水」についてです。「生活用水」をしっかり備えておかないと生命維持に必要な「飲料水」を減らしてしまう事態も起こり得ます。しかし現実的に「生活用水」をすべて「水」で備えるのは困難。「水以外」でも備えていきましょう!
水の備蓄は住環境にかなり左右されるので、今回も賃貸マンション6階2LDKに大人2人住まいの我が家の場合でお話していきますね。
「生活用水」に必要な水の量をおさらい
「生活用水」に必要な水の量についておさらいしておきましょう。
東京都水道局によると「家庭で一人が1日に使う水の量は、平均214リットル(令和元年度)程度」
ファミリータイプの湯船だとフチのギリギリ満タンまで入れて200リットル前後。1人1日分に少し足りないぐらい。3日分で湯船3杯ちょっと。4人家族3日分なら湯船12杯分ぐらいです。うむ、どう考えても置き場がない。
おそらく「平均214リットル」は飲料水、湯船に溜めるお湯やシャワーも含まれていますが、それを考慮しても「水」で備蓄するには無理がある。井戸や雨水タンクがあればいいんですけど、マンションではそういうわけにもいかない。
「生活用水」なくて困ったランキング
震災後、実際に「生活用水」がなくて困った、イヤだった、不快だった、ツラかった、もう耐えられなかったという個人的ランキングを発表したいと思います。飲料水は殿堂入り。
- トイレ
- 手洗い・うがい
- 食事・片づけ
- 洗顔・歯みがき
- お風呂
- 洗濯
このサイトでずっと言ってますが、本当にトイレはつらい。もうトイレで苦労したくないので全力で備えてます。
手洗い・うがいは、わたしは免疫力が弱くてすぐ風邪をひくのでわりと死活問題。食事・片づけも、不潔なままだと食中毒の危険などがあるので要注意。4~6位も断水が長引くとつらくなってきます。以下、具体的にどう備えたらいいか見ていきましょう。
トイレ:非常用トイレは必須!
まずは困るランキング第一位のトイレです。
何度も言いますが、停電・断水するとトイレはすっぐにうんこ山盛りです。というか、普段はすぐに水に流してしまうから、結構質量があることに気づかないんでしょうね。ああ、だから「水に流す」って言うのか。
戸建てのおうちだと停電しても水道が止まってなければ水が出る場合があります。しかし最近のマンションは電気で水を汲み上げていることが多く、電気が止まれば水も止まります。マンションに住む人は停電=断水だと覚悟しましょう。
トイレに必要な水の量を計算する
トイレ用の水を備蓄するとして、どれぐらいの水の量が必要なのでしょうか。
TOTOのホームページによるとトイレを「1回流すのに約6L」
日本新薬のホームページによると女性の「トイレに行く回数は1日4回から7回が正常」とのこと。
仮に1回6リットル×1日4回として、1日に必要な量は24リットル。1日7回だと42リットル。飲料水の必要量3リットルに比べてめちゃくちゃ多い!2リットル6本入りペットボトルの箱で2~4箱ぐらい。しかもこれが1日1人分!
また断水時だと、トイレはバケツなどで水を流さないといけないので通常時より多めの水が必要になります。だいたい1回10~12リットルぐらい。
トイレってお水たくさん使うんですね~(しみじみ
お風呂の残り湯でトイレの水は足りるのか?
よく「災害に備えてお風呂の残り湯を溜めておくといい」と言われます。トイレなど生活用水に使うためですが、実際足りるのでしょうか?
ファミリータイプの湯船だと淵のギリギリ満タンまで入れて200リットル前後。お風呂の残り湯だと150リットルぐらいまで減ります。
たとえばトイレ1人1日4回として24リットル。4人家族だと96リットル。1日7回だと42リットルで、4人家族だと168リットル。お風呂の残り湯150リットルだと1日分にも足りない。
災害時、比較的復旧が早いのが電気です。それでも3~7日程度かかると言われています。マンションの場合、停電でも断水する可能性が高いので、最低でも3日分、4人家族だと湯船3杯分の残り湯が必要になるわけです。
結論として、お風呂の残り湯を溜めていたとしても、災害時のトイレの水としては足りないと言えるでしょう。
近くに川があるなら汲んできてもいいかもしれませんが、最低でも1人24リットルを背負って1日1回階段を上らないといけないなんて、つらすぎますよね~。しかもうちは6階……。
災害時のトイレの水を「水」だけで備えるのは心底厳しい。
お風呂の残り湯を溜める場合の注意点
それでもお風呂の残り湯はなにかと使えるので、溜められるなら溜めておくといいでしょう。
しかし、こんな人はご注意を。
マンション高層階では揺れが激しくなるので、湯船の上から水がこぼれてしまう場合があります。小さなお子さんやペットがいるおうちでは、なにかのはずみで風呂蓋が外れて、残り湯で溺れてしまうことがあるかもしれません。むしろ地震より起こる確率が高い。
また低層階でも揺れでお風呂の栓が抜けてしまうこともあります。阪神・淡路大震災のとき、うちはアパートの2階でしたが栓が抜けてお風呂の水は流れてしまいました……。そしてとても苦労しました(;;)
お風呂の残り湯を溜めていたとしても「水以外」でも備えをしておきましょう。
貯湯式の給湯器があれば説明書を準備
電気式のエコキュートやガス式のエネファームなどのように、貯湯式の給湯器があるならば、停電・断水時でも水が取り出せる可能性があります。
うちはたまたまオール電化の賃貸マンションでエコキュートがついてました。タンクには300リットル以上もお湯が入っているので災害時に頼りになります。ありがたい。
ただし取り出し方がわかりにくい。取り出し方法は機器によって違うので必ず説明書を用意しておきましょう。うちは紙の説明書と、PDF版をスマホ・タブレットに入れてます。
最新式だと停電・断水時でも、蛇口から水もお湯も出るタイプもあるそうですよ。いいな~!
下水管や下水道が破損していると流した水が逆流する
東日本大震災後、トイレについて見直されたのが下水管・下水道についてです。
下水管や下水道が破損していると、流した水が逆流したり漏れたりするというんです。おそろしい……!
うんこしたからお風呂の残り湯で流しましょ~♪と流していたら、実はマンションの下水管が割れていて、上下階のトイレに逆流したり。敷地内や道路の下水道管が割れていて、道にうんこが漏れ出てきたりしてしまうというのです。マジか、おそろしい……。
なので、もし仮に湯船3杯分の残り湯があったとしても、マンションの下水管、敷地や道路の下水道管が壊れていないことを確認するまでは、トイレを流すのは控えないといけません。
国土交通省の漫画「災害時のトイレ、どうする?」がわかりやすいです。
非常用トイレ・災害用トイレや代替品の備えを!
お風呂の残り湯じゃ足らん。下水管の無事を確認するまで流したらアカン。じゃあどうしたらええねん!?と思いますよね。ご安心を。いくつか方法があります。
非常用トイレ・災害用トイレ
まずは非常用トイレです。災害用トイレとも言います。違いは言い方だけ。
簡単に言えば、便器にひっかけたビニール袋に用を足してゴミとして捨てる、という方式です。それだけだと漏れたりこぼれたり臭かったりするので、既製品には凝固剤がついていて内容物を固めることができます。いい商品だと袋に防臭機能もあったりします。技術の進化って素晴らしい。
値段はいろいろですがほとんどは、
の良し悪しで変わります。
もっとも有名なのは非常用トイレセットBOS。介護や育児にも使われる防臭効果が高い袋が人気です。その分、ちょっと値段も高い。
非常用トイレの必要量は、トイレの回数を1日4回から7回として最低3日分でも
1人1日7回×3日=21回
電気復旧まで7日かかるとして
1人1日7回×7日=49回
非常用トイレのセットは50回分か100回分がスタンダードなので、1人なら50回分1箱。4人家族なら100回分2箱を持っておくと安心ですね
ちなみに我が家は大人2人ですが100回分を2箱持ってます。トイレ行く回数が多いんですよ……。
BOSともう一つ、うちはこちらを買いました。MT-NET 緊急戦隊トイレマン。クーポンが出てて安かった。黒い蓄便袋自体に防臭効果はないようですが、代わりに消臭袋が付属でつくようになったみたいです。わたしが買ったときは付属してなかったので、ストックしている防臭袋にまとめて入れようと思ってます。これはまたのちほど。
使い方などは買ったメーカーの説明をしっかり読みましょう。凝固剤を入れるタイミングがいろいろ違うみたいです。先入れ、後入れなど。
使用期限は10年というところが多いです。ちょっとお高め非常用トイレBOS100回分でも送料込み7700円(楽天市場内BOS公式ショップ・2022年1月末現在)。1年当たりのコストだと770円だからわりと安い。4人家族だと100回分を2箱だから15400円。
トイレットペーパーや生理用品などは当然付属しないので自前で準備する必要があります。ちなみにトイレットペーパーの必要量は4人家族1か月で約16ロール(ダブルは約32ロール)。でももうちょっとあった方が安心だと思う。
経産省によると4人家族が1か月で使用するトイレットペーパーは約16ロール
うちは大人2人家族で約32ロール。多すぎやろ!と思ったら日本トイレ協会に但書発見「※ダブルは33ロール程度」
ですよね〜!と思ったけど、それでも一般家庭の倍使ってるね!?#地震 #防災 #備蓄https://t.co/9cWb9IDBeL
— フク@失敗×防災 (@shippai_bousai) October 29, 2021
マンホールトイレ
国土交通省の漫画にも出てくるマンホールトイレ。
簡単にいうと下水道の上に専用の穴(マンホール)が開いていて、その上に簡易型のトイレを設置。うんこしたら便器から下水道までダイレクトにインできるトイレです。素晴らしい。
とはいえ、便器にうんこがこびりついたり、便器のまわりが汚くなったりはします。しかしうんこ山盛りという最悪の事態は避けられます。素晴らしい。
都市部に多くあるようです。もし近所にあればラッキー。自治体のホームページなどから確認してみましょう。うちは自転車で5分ぐらいのところにあります。ラッキー。
注意したいのは、誰かが設置しないと使えないということです。当然ですが、その辺の下水のマンホールを勝手に開けて、お尻まるだしでうんこするというわけにはいかない。
基本は自治防災組織の人やマンホールトイレがある施設の職員さんが設置します。なので、夜中に災害があったらすぐには設置されません。施設の職員さんの家が遠ければしばらく通ってくるのも無理でしょう。災害当日は使えないものと思っておきましょう。
しかし翌日以降、可能なら使わせてもらいたい。
掃除はその施設に避難している人や職員さんなどが行うことになるので、在宅避難時に借りて使わせてもらうなら、持参のトイレットペーパーやティッシュで拭くなどしてキレイに使いましょう。掃除してくださる方にぜひ感謝を。
ちなみにマンホールトイレに流せる物は家のトイレと同じで、トイレットペーパーや水に流せるティッシュだけです。サニタリーボックスがあるかどうかは施設によって微妙なので、持ち帰れるようビニール袋を持っていく方がいいでしょう。
避難所のトイレ・仮設トイレ
在宅避難であっても、避難所のトイレや仮設トイレを借りることはできます。
しかし避難所のトイレも災害当日は水が確保できない可能性があります。昔はほとんどの小・中学校に防火用水もかねてプールがありましたが、最近は老朽化したプールを改修せず廃止している学校も多いんだとか。ということはプールの水を汲んでトイレを流すこともできない。
仮設トイレも、設置まで3日以上かかるところも多いですし、タンクがいっぱいになってしまったら、やはりうんこが溢れてしまいます。仮設トイレは専門業者さんがタンクを交換にくるタイプが多いと思いますが、災害の規模によっては回収がどうなるかわからない。
避難所のトイレや仮設トイレを借りるなら、かなり汚れているなどいろんな状況を覚悟しましょう。そしてやはり設置してお掃除してくださる方に感謝を。避難所にいるならば掃除当番があります。
非常用トイレ・災害用トイレの代替品
在宅避難生活中、事前に用意していたけど、非常用トイレの数が足りなくなった!ということは十分に考えられます。なぜなら阪神・淡路大震災のとき、うちの近所は水道が復旧するまで1か月かかったからです。いま我が家では1人につき1箱100回分を備蓄してますが、これでも14日分。半月しかもたない。
1か月分の非常用トイレというと、1人につき100回分が2箱必要だから、4人家族なら計8箱。非常用トイレBOSだと1箱7700円で約6万円。10年ごとに6万円。1年あたり6000円。さすがにコストがかかりすぎな気がしなくもない。以前は400回分のセットもあったのですが、いま品切れ中みたいで検索に引っかかりません。
ここはコスト感覚によりますが、わたしは非常用トイレが足りない分は代替品で補おうと思ってます。
既製品の非常用トイレの仕組みは、便器をカバーするビニール袋(便器カバー)、便器カバーの上からかけて便や尿を溜める黒いビニール袋(蓄便袋)、内容物を固めるための凝固剤の3点。もしくは、最後に全部をまとめて捨てる消臭効果のある袋(防臭袋・消臭袋)を加えて4点です。
便器カバーと蓄便袋の代替品
便器カバーと蓄便袋は普通のゴミ袋でも代用できます。
蓄便袋はやはり丸見えは避けたいので黒いゴミ袋、便器カバーは何色でもいいんだけど、蓄便袋と色がかぶると分かりにくいので、黒は避けましょう。透明でも可。
ゴミ袋は腐らないし普段から使ってローリングストックしやすいから、たっぷり備蓄しておきましょう。非常用トイレの代わりにするなら45リットルサイズが便利。わたしはキッチンに普段使い用。ストック棚に黒いゴミ袋200枚、半透明のゴミ袋300枚ありました。多いな!いつのまにそんなに買ってたのか。
住む自治体によって専用のゴミ袋じゃないとダメなところもあると思うので、自分が安心できて使いまわせる枚数で備蓄しましょう。仙台は市の専用ゴミ袋でしたが、いま住んでるところは透明か半透明ならいいので楽ちんです。
凝固剤の代替品
専用の凝固剤を買ってもいいのですが、それならいっそ既製品の非常用トイレ買ったらいいんじゃない?と思うので買ってません。
凝固しなくてもある程度水分を抑えてくれたらいいので、こんな代替品があります。
・古着
・ペット用トイレシート
・猫砂
・紙オムツ
うちはペットを飼ってませんが、台風で家に水が入ってきたときや水漏れのときなどに、ペット用トイレシートが水を吸うので掃除しやすいと聞いて買ってあります。いまのところ役には立ってません。
お子さんがいらっしゃる方は、サイズアウトした紙オムツも非常用トイレの代わりにできます。オムツは子どもの嘔吐用にオムツバケツを作るのにも使えるそうですよ。
防臭袋・消臭袋は個別に購入
防臭袋や消臭袋は非常用トイレとセットでなくても、個別に購入できます。検索だと「消臭袋」の方が商品が多くヒットしやすいかも。消臭袋は非常用トイレだけでなく、ゴミの防臭にも使えて便利。災害時はゴミ収集もしばらくストップするのでいくつか買っておくと安心です。ゴミも長く放置すると臭い……。
わたしの場合、ゴミの防臭袋をたくさん備蓄してあるから、非常用トイレは14日分にして残りは防臭袋を使って代替品でまかなおうと思ったというところもあります。
個人的には防臭袋BOS、日本サニパックの「ニオワイナ」。消臭袋じゃないけどポリ袋の「アイラップ」を備蓄してます。
防臭効果はたしかに専門商品だけあって
防臭袋BOS > ニオワイナ > アイラップ
なんですけど、アイラップのコスパがめちゃくちゃいい!1箱60枚入りでだいたい120円前後。1枚2円。近所のスーパーは特売で100円の日があるので1枚1.6円。お正月でゴミ収集が休みになったとき、アイラップに入れて生ごみを捨てていたら1週間匂いませんでした。すごい!
防臭袋BOSはアイラップと同じサイズだとMサイズ。送料別で90枚入り1080円。1枚12円。ニオワイナは送料別で50枚入り268円。1枚5.4円。(Yahoo!ショッピングで調査・2022年1月末現在)
防臭袋BOSはSS、L、20Lサイズを買ってあるので、蓋ができるバケツに20Lサイズの防臭袋BOSを設置。コスパのいいアイラップに蓄便袋を入れてぎゅ―――――っとくくって匂いを防いだ後、さきほどのバケツに捨てようかと思ってます。夏で匂いが厳しいようならニオワイナやBOSのSS袋やL袋を使うかもしれません。そこは状況次第。MT-NETの非常用トイレも消臭袋がついていなかったので、同じように捨てるつもりです。
非常用トイレの作り方はこちらもご参考に。
手洗い・うがい:除菌ウェットティッシュやうがい薬を備蓄
はぁ~やれやれ!
なんとか懸案のトイレについてお話が終わりましたが、ついでにもう一つ。困るランキング第二位の手洗い・うがいについても見ておきましょう。
トイレから出たら手洗いしたいし、家に帰ったらうがいもしたいですよね。手洗い・うがいをしないと、風邪や感染症の心配もあります。
手洗い:除菌用アルコールジェル・除菌ウェットティッシュ
まず、手洗いにはどれぐらいの水の量が必要なのでしょうか。
東京都水道局のホームページによると、手洗いや洗面などに水を使うとき、1分間流しっぱなしだと約12リットルなんだそうです。2リットルのペットボトルで6本。結構使いますね。
我が家では手洗いなどに使えるよう、一応、水道水を汲み置きしています。約40リットル。1週間に一度、洗濯の水に使って入れ替えています。が、それでも全然足りない。
なので、災害時の手洗いは除菌用アルコールジェルや除菌ウェットティッシュで代用しようと思ってます。汲み置きはむしろ、かなり汚れたときなど、どうしてもざぶざぶ手を洗わなきゃいけない時用って感じですね。
コロナ禍でどちらも備蓄しているというご家庭も多いと思います。必要量を確認しておきましょう。いろんなメーカーがありますが、とりあえずメジャーな「手ピカジェル」で計算してみますね。
ポンプ式300mLタイプで1回に必要なのはポンプ1~2押し分。1プッシュで約2mLなので約150~300回使える計算です。
手洗いの回数は、東京医科大学の資料によると「1日11回以上」が適切な手洗いの目安になるようです。トイレが1日4~7回、食事前3回、帰宅時などと考えていくとたしかにそれぐらいは必要そうです。
では1日11回手ピカジェルを使うとして1プッシュ2mLだとすると、1日の必要量は22mL。300mLタイプだと約14日分になります。実際はもうちょっと余裕があった方がいいので、断水期間を最低1週間だとしても、1人につき最低1本は用意したいところ。1か月を覚悟するなら2本は必要。
またマンホールトイレや避難所のトイレを借りる際にも必要なので、持ち歩きできる携帯用アルコールジェルなども用意しておきましょう。
爪の間が拭けないので、手洗い代わりにはなりませんが、ちょっと汚れたときに拭ける除菌ウェットティッシュも便利。
アルコールアレルギーがある人は元々気をつけていると思いますが、災害時は代替品が見つかりにくくなるので、体にあった物を多めに備えておきましょう。
汚れ防止のために使い捨て手袋も備蓄しておいた方がいいのですが、手洗いは手洗いで備えておきましょう。
うがい:うがい薬で効果を高める
風邪予防のためのうがいは飲料水でするか、洗口液を使うことになります。洗口液はよく「マウスウォッシュ」などの名前で売られているアレです。洗口液は歯みがきとも関係があるので、のちほど歯みがきのところでお話しますね。
飲料水でうがいをする場合は、少量の水でも効果が高くなるようにうがい薬があると安心ですが、使い慣れていないと口内炎ができたり、体調を崩すこともあるのでご注意を!
わたしは甲状腺が悪く、ヨードを含んだうがい薬が使えないので、ヨードが入っていないうがい薬を用意しています。ちなみに「イソジンうがい薬」にはポピドンヨードが入ってますが、「イソジンクリアうがい薬」にはセチルピリジニウム塩化物水和物という別の有効成分が入ってます(豆知識)。
持病があって心配な人は、主治医や薬剤師さんに相談しましょう。
食事・片づけ
困るランキング第三位は食事・片づけ。
食べ物そのものに使う水は飲料水を使うので、ここでは調理や片づけに使う水ですね。調理と片づけについて言えば、方法論がたくさんあるので難しいのですが、最低限これだけは持っておいた方がいいと思う物についてまとめてみますね。
食べるために必要な物
・紙コップ
・割り箸
・使い捨てできるスプーン・フォークなど
・ポリ袋、ラップ
まずは食事を食べるために最低限これだけはあった方がいいと思うものです。紙皿や紙コップ、割り箸や使い捨てスプーンなど、食べ物や口に触れる物は、食後洗わずにいると雑菌が繁殖してしまうので、使い捨てできる物を準備しておきましょう。
ただ、紙皿や紙コップもたくさん備蓄するのは場所も取るし大変。ポリ袋やラップをかぶせて使うと、食事の後、ポリ袋やラップだけを捨てればいいので、紙皿や紙コップを節約できます。
陶器のお皿にラップを巻いてもいいのですが、箸やフォークとお皿がぶつかると結構ラップが破れます。破れてしまったら洗わないといけないので、いざというとき捨てられる紙皿などの方が安心。
またポリ袋のアイラップが丈夫でお皿に巻きやすいです。食べ終わったらくるっと逆にしてゴミ袋にすることもできるので便利!ラップをお皿から外すときに手についたりするんですよね~。
箸やスプーンなども、普段使っている食器を除菌用ウェットティッシュで拭いてもいいのですが、何回か使っていると拭ききれない汚れが溜まる気がするので、やはり使い捨てを用意しておいた方がいいと思います。
片づけに必要な物
・キッチンペーパー
・ウェットティッシュ
・使い捨て手袋
食べ終わった後、捨てられるゴミは捨てましょう。レトルトパウチなど、食べ物がついたままになるゴミは消臭袋などを使って捨てた方が安心です。災害時はゴミの収集も止まるので、食べ物がついたままのゴミを置いておくと腐ってかなり臭ってきます。缶詰もキッチンペーパーとウェットティッシュで拭きとりましょう。
片づけ中に油物などで手が汚れるといつまでも取れないので、汚れがひどい物を触る時には使い捨て手袋もあった方が便利です。
調理に必要な物
・キッチンシート
・耐熱用ポリ袋(アイラップ)
・ラップ
・アルミホイル
・食品用除菌アルコール
調理がいろいろ方法論があって悩むところなんですよね。
そもそも調理しないといけない物は買わないという考え方もあるでしょうし、アレルギーがあって既製品の非常食は食べられないという人もいます。お子さんが小さいと哺乳瓶の消毒や離乳食作りも考えないといけない。
わたしはアレルギーがあるので、既製品があまり食べられません。なので、日ごろから野菜を買ってきたら洗うか切るか冷凍するかしておいて、災害時になるべく洗わなくてすむようにしています。野菜洗うの結構お水を使うんですよね。お肉も切り分けてから冷凍しています。普段の生活でも時短になるので便利ですよ。
やむを得ずなにかを切る場合は、まな板にキッチンシートを敷きます。
切った野菜やお肉はポリ袋に入れて、鍋を使って湯せんで調理する予定。ポリ袋は耐熱用じゃないと使えません。わたしはここでもアイラップです。ご愛用。ラップやアルミホイルはなにかと使えるので常備。
手についている雑菌が食物を汚染することがあるので、災害時は使い捨て手袋を使って調理する方が安全です。食品用除菌アルコールもあればなおよし。わたしは業務スーパーで買ってますが結構売り切れてるんですよね~。
ぜひ日ごろ料理するときに「水が出なくなったらこうしよう」というシミュレーションをしてみてくださいね\(^▽^)/
洗顔・歯みがき
困るランキング第四位の洗顔・歯みがき。
反省日記にも書きましたが、わたしは歯みがきができないことがすごくストレスでツラかったんですよ(;;)歯みがきは日々の習慣だから意識したことなかったけど、こんなにイライラするのかと……。
口腔ケアを怠ると感染症にかかりやすくなったり、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあるそうなので、「災害時なんだから歯みがきぐらい我慢すればいいや」と思わず、事前に準備できるならしておきましょう!
洗顔
洗顔については体拭きシートやアルコールフリーのウェットティッシュで顔を拭きましょう。わりとすっきりします。体拭きシートは介護用品コーナーなどで売っていて、ウェットティッシュより大判で厚手なので使いやすいです。小さいお子さんがいるご家庭なら、赤ちゃん用のおしりふきでもいいですね。安いし使いやすい。
夏に使うボディシートはスーッと感じさせるためにアルコールが入っていたり、香料が入っていたりするので、冬には不向きかもしれません。このへんはお好みで。
化粧落としとしてクレンジングシートも用意しておきましょう。アルコールフリーで化粧水入りが人気。化粧水・乳液などが配合された洗顔シートなどもあります。
歯みがき
東日本大震災当時、しばらく歯みがきをガムで代用していたのですが、あまりすっきりしませんでした……。なので、いまは歯みがきシートと液体歯みがき、洗口液(マウスウォッシュ)を備蓄しています(←必死)。
歯みがきシートは指に巻いて歯をゴシゴシします。水がいりませんし、最後にすすぐ必要もありません。指サックの形になっている物もあります。難点としては、奥歯を磨くときにちょっと「オエッ」となることです。苦手な人は苦手かも。
その場合は、液体歯みがきの方がいいかもしれません。
基本は口に含んでくちゅくちゅしてから、歯ブラシで磨きます。口に含んだままとか、歯ブラシで磨いた後に水ですすぎが必要とか、メーカーによって少しずつ違うので、自分の好みに合いそうなものを選びましょう。裏面に磨き方が書いてありますよ。
うがいのところでも出てきた洗口液(マウスウォッシュ)は、歯みがきの成分が入っているわけではなく、どちらかというと口の中を清潔にしてくれる物で、口のねばつきや不快感を和らげてくれます。お水代わりにうがいに使っても大丈夫。最後に水ですすぐ必要はありません。どちらかというと歯みがきをした後の仕上げに使う感じですね。それと口臭予防。
裏面に「液体歯磨き」「洗口液」とはっきり書いてあるので、普段使っている物があれば見てみてくださいね。
ちなみに、うちでは夫が日常的に洗口液を使っているのでストックしているのですが、わたしは1週間使い続けたら口内炎ができたため使っていません。アレルギーがある人は一度使って試しておきましょう(;;)
お風呂
困るランキング第五位、お風呂。
意外とランキングが低いのは、わたしが遭った阪神・淡路大震災も東日本大震災も冬に起こって寒かったからだと思います。他に比べてまだ我慢しやすかった。でも夏の災害だとおそらく耐えがたいでしょう。ぜひ備えておきたい。
絶対用意したいのは、体拭きシートやアルコールフリーのウェットティッシュ。赤ちゃんがいるおうちはおしりふきを多めに用意してもいいでしょう。大人も一緒に使えます。
お尻とデリケートゾーンが汚れていると不快なので、とにかくそこだけでも拭くことができれば少し気分はすっきりします。女性の場合、生理中だと本当にツライです。傷などを拭う清浄綿も小さくて便利ですよ。わたしは下着の汚れ防止にパンティライナーと清浄綿も用意してます。
洗髪は水のいらないドライシャンプーが定番です。
でもすっきりさせる目的で、香料やメントール、エタノールなどが入っている物が多いので、苦手な人は気をつけましょう。わたしは苦手……。一度試しておいた方がいいですよ。
銭湯は一般の家庭に比べるとやや早く復旧します。みんなお風呂に入れないと困るから、おそらく行政も復旧を急ぐんでしょうね。近所の銭湯に行ったことがないという人も、歩いて行ってシステムに慣れておくと安心ですよ。
その他、お水が出るようになってからガス復旧までなど、震災時のお風呂事情についてどうぞこちらもご覧ください。
洗濯
困るランキング第六位、洗濯。
洗濯も困るっちゃ困ります。汚れた衣服が溜まっていくのもストレスです。でも在宅避難の場合だと、着る服がないわけじゃないので、どんどん着替えていけばどうにかなります。
肌着や下着、靴下など体に直に触れる衣服は、ビニール袋などに入れて振り洗いしましょう。お水が節約できますよ。ビニール袋に入れて、なるべく袋の上の方を握り、膨らませた状態でゆするのがコツです。
わたしはご愛用のアイラップを使う予定ですが、丈夫なビニール袋ならなんでも大丈夫。専用の洗濯袋の「アタック どこでも袋でお洗たく」なども売ってます。
洗剤のジェルボールを使ってる人も多いと思いますが、これだとビニール袋や洗濯袋で小分けにして洗いにくいので、別に粉洗剤や液体洗剤も備蓄しておきましょう。
トイレが流せる状況なら、洗濯に使った水はバケツに溜めておいて再利用しましょう。
災害の規模にもよりますが、遠方に行けばコインランドリーがやってることもあります。ネットがつながるなら検索してみましょう。口コミを探すならTwitterも便利だけどデマや状況に注意を。「〇〇にあるコインランドリーやってた!」と書いてあっても愉快犯のデマだったり、一度開いたけど状況が変わって再び休業してしまったりと、災害時はいろんなことがあります。
肌着や下着に関しては、ゴムののびたヨレヨレパンツを置いていてもいいのですが、新しい物を買いおいておくと安心です。新しい物なら、場合によっては避難所に差し入れすることもできますしね。
コツはストックを意識して、できれば予備を1つ多めに
以上「生活用水」についてでした!
大半トイレの話でしたが(笑)、実際トイレが大変です。
ポイントをまとめておくと
・トイレ:非常用トイレ・災害用トイレや代替品の備えを
・トイレ:近所のマンホールトイレを確認しておく
・手洗い:除菌用アルコールジェル・除菌ウェットティッシュ
・うがい:うがい薬や洗口液(マウスウォッシュ)
・食事・片づけ:断水時のシミュレーションを
・洗顔:体拭きシートやクレンジングシート
・歯みがき:歯みがきシート・液体歯みがき・洗口液(マウスウォッシュ)
・お風呂:体拭きシートや赤ちゃんのおしりふき、ドライシャンプー
・洗濯:肌着や下着はビニール袋で振り洗い
いろいろ書いてありますが、すでに家にある物も多いんじゃないでしょうか。あとはストックを意識して、できれば1つ予備を買っておくと安心です。もし余力があれば、水道水を汲み置きしておくと心に余裕が出ますよ!
いきなり全部は難しいからまずは非常用トイレ!これだけはぜひ!備えておくことをオススメします。
ではでは、皆さん。長文にお付き合いいただきありがとうございました!今日も一日、どうぞお元気にお過ごしくださいね~ヾ(*´∀`*)ノ
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