東日本大震災当日。帰宅後、こちらは当日の食事についてまとめました。震災当日は心理的にも環境的にもゆっくり食事をする感じではないので、わりと簡素であっさりしています。
紙皿・紙コップは役に立つが、日頃の片づけはもっと大事
この日の朝食は卵かけご飯でした。
なにかのテレビ番組を見てプチブームだったんです。朝炊きたてご飯にかけて食べる卵かけご飯は最高でした。
しかし朝食の後片付けをする時間がなくなってしまい、洗い桶に食器を入れ、水につけただけで出勤しました。そして地震が来たわけです。
よかったのは炊飯器にご飯が残っていたこと。ポットも倒れておらず、まだお湯が暖かったのでお茶漬けにして食べました。ちなみに停電中でボタンを押してもお湯が出ないので、上からお玉を使って汲み出しました。食器は備蓄していた紙の使い捨て食器を使いました。紙皿と紙コップがあればしばらく洗い物しなくてすむのですごく役立ちます。(※↓に追記)
が。
朝食で使った食器は洗い桶に突っ込んであるし、炊飯器のお釜も汚れたまま……。
いつ水道が復旧するかわからないので、とりあえず炊飯器の釜に食器を移して洗い桶の水を入れ、しばらく放置することにしました。見るたびに「朝、ちゃんと洗い物していれば……!」と後悔しました。防災備蓄もいいけど、日頃の生活、超大事!
いまは食事の後、マメに洗い物をするようになりました。洗い桶は震災時だけでなく、日頃もお水が節約できていいですよ。
また、震災当日に温かいご飯が食べられたことはかなりよい思い出だったので、すぐに沸かせる電気ケトルが流行りだと思いますが、うちではいまだに保温もできるポットを愛用しています。
- 紙皿、紙コップなど使い捨て食器を備蓄しておく(※↓に追記)
- 後悔しないためにも、洗い物はマメに!
防災知識としてはメジャーな「お皿にラップを敷いて食べる」という話を一切書いていなかったのですが、それは「ラップを敷いても破れるし、お皿が汚れる」と思っていたからです。実際、何度か食べたことがありますが、ラップめっちゃ破れるんです!しかしポリ袋のアイラップなら破れにくいと知り、それならお皿にかぶせてもいいじゃん!と思いました。アイラップめっちゃ便利ですよ!詳しくはまた別記事で。お皿はいずれにしても紙皿がオススメです。
ちなみに紙皿なのは、ラップやアイラップを敷いても破れてしまってお皿が汚れた時に捨てられるからです。災害時は本当に水が足りない。少ない水で汚れたお皿を洗って衛生状態が悪くなるぐらいなら、紙皿にして捨てた方がいいと思う。手を拭く除菌ウェットティッシュも忘れずに✋#地震 #防災 #備蓄
— フク@失敗×防災 (@shippai_bousai) December 27, 2021
地震当日は火を使って調理しない!火を使わずに温められる発熱剤が便利
地震対策や防災備蓄に余念がないので、そういった情報が書いてあるサイトや本を読むのが好きです。自分の経験からも備えていますが、知らない便利な情報もたくさんありますし、読むと少し安心できる気がします。
ただ、最近気になるのが
「地震当日は非常食より先に冷蔵庫や冷凍庫の中にある食材を食べましょう。そうすれば食材が無駄になりません。カセットコンロがあれば調理できます」
というような記述が複数見られることです。
いやいや、地震当日に火を使って料理しちゃダメですよ?
大地震で建物が倒壊している場合、自宅ではガス漏れの臭いがしていなくても、近所ではガス漏れしてるかもしれない。ガスが漏れていれば火災の危険があります。阪神・淡路大震災のとき自宅は大丈夫でしたが、外に出れば倒壊した家屋からガスの臭いがしていたことを思い出します。震度5以上の地震でガスメーターがガスを遮断しますが、家屋が倒壊するとガス管が折れてガスが漏れるんです。
おそらく、地震でライフラインが止まったけど、家屋や建物の損壊がそれほどひどくなかった地域の人が書いた文章なのだと思いますが……。自分自身の経験の記録として「冷蔵庫の食材をカセットコンロで調理して食べた」と書くのはいいと思いますが、原則論として書くなら、地震当日に火を使って料理しちゃダメ、だと思います。
少なくとも、震度6強・震度7の地震に被災した地域では、地震当日に火を使って料理しないのが原則。直下型の地震なら震度6弱でも危ないかも。カセットコンロの出番は翌日以降だと思っておいた方が良いです。
北海道胆振東部地震のように、震度6、7地域以外もブラックアウトで広く停電して、建物にまったく影響が出てないなら火を使って料理するのもいいかと思うんですけどね。そこは状況を見て判断を。
うちは火を使わずお茶漬けを食べたのは上で書いたとおりですが、もし炊飯器のご飯やポットのお湯がなければ、非常食の缶詰などをそのまま食べるつもりでした。
とはいえ「冷たいご飯をそのまま食べるのはツライ」という気持ちはわかります。すっっっごく。
なので、地震当日は火を使わない熱源として発熱剤があると便利です。
駅弁なんかでもありますよね。ヒモを引っ張ると湯気が出てきてお弁当が温まるアレです。仕組みとしては、特定の化学物質に水を入れたときに起こる化学反応を利用して熱エネルギーを得る、というものです。
うちではモーリアンヒートパックという発熱剤を用意しました。
Lサイズ1袋でパックご飯、レトルトパウチ、缶飲料が温められるということなので、1食分には十分です。発熱剤付きの非常食を備蓄してもいいかと思いますが、わたしはアレルギーがあって食べられない物が多いので、自分が備蓄した物を温められるモーリアンヒートパックにしています。
ま、えらそうに書いてますが、当時は持ってなかったんですけどね!あればよかったな~と思うのでご紹介しておきます。
- 地震当日は火を使って料理しない
- 火を使わずに温められるモーリアンヒートパックなど発熱剤を準備する
- 発熱剤入りの非常食を備蓄するも良し
冷蔵庫の食材は最悪捨てるものと覚悟する
地震当日は火を使って料理しない。では冷蔵庫の食材はどうするかというと、最悪捨てるのもやむなしと覚悟していました。
ガス漏れや周囲の状況次第では食べられないこともあります。実際、阪神・淡路大震災のときはかなりガス漏れしていたので、とても火を使える状況ではなく、冷蔵庫の食材は廃棄しました。
幸い、仙台は寒く、電気もわりと早く復旧したので、このときには食材をムダにせずにすみました。というよりも、翌日土曜日に週1回の買い物に行くつもりだったので、捨てるほど食材が入っていませんでした……。
常温で日持ちするキャベツや白菜、大根やにんじんなどの野菜があればよかったとしみじみ思ったので、いまは買い置きするようにしています。
ガス漏れなど、安全が確認できるまでは基本的に冷蔵庫は開け閉めせずに置いておき、食材は状況次第で最悪捨てるのもやむなしと覚悟しましょう。もちろん、それほど家屋や道路に被害がなく、ライフラインが止まっているだけなら冷蔵庫の食材を利用して料理のもいいと思います。とにかくまずは状況確認。
東京ガスのこの記事がわかりやすかったです。
- 冷蔵庫の食材は状況次第で捨てるのもやむなしと覚悟しておく
- 常温で日持ちする野菜を買い置きしておく(キャベツや白菜、大根やにんじんなど)
ご飯を食べてゆっくり就寝、ともいかない
温かいご飯を食べるとようやく人心地つき、電気のつかないコタツに入りながらラジオを聞いていました。
なんだか思っていたより大きな地震っぽいことはわかるのですが、映像がないのでいまいちピンと来ず。どのラジオ局も同じ情報を繰り返すばかりで、全容がよくわかりませんでした。たぶんみんな分かってなかったんでしょうね。それでも、余震で頻繁に揺れるので、人の声がしているのは安心できました。
やがて伝えられたのが「仙台市若林区荒浜に200~300人の遺体が打ち上げられている」という情報です。荒浜は職場から10キロほど離れたところで、よく知っていました。
いやいや、まさか……。
情報が錯綜している様子だったので、正直「デマなのでは?」と思いましたし、「デマだといいな」とも思いました。職場の人も「津波が来る」とは言ってましたが、だからといって、あの荒浜に一度に200~300人も打ち上げられるなんてことがあるだろうか。わたしたちがいたところからそれほど離れていないところで……。
職場がある仙台中心部や自宅付近で、ぺしゃっと崩れている家屋はなかったので、それほど甚大な被害はないのではと思っていました。しかし、阪神・淡路大震災のときにも、日が経つにつれてどんどん死者数が増えていったことを思い出しました。
これは思っていた以上にとんでもないことになっているのかも……
と、ようやく実感しました。
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